| 夜に月の光で極々稀に現れる虹がある。肉眼で見るとちょっと白っぽく、夜空にかかる白いアーチのように見えるが、目を凝らしてみると七色しっかり入っているのが分かる。
ハワイでは夜の虹との出会いは最高の祝福とされていて、その人にとって大事な変化が起こるときなどに現れる、とも言われている。
僕が初めて夜の虹に出会ったのは、2001年の夏、マウイでのことだ。ちょうどその3日前、古代から伝わるハワイアンの智恵を伝承しているカイポさんという人に夜の虹のことを聞いたばかりで、ぜひ僕も一度見てみたい、と強く思っていたところだった。その日は満月で、東の山の上に大きくまん丸な月が顔を出したころ、雨が降り出してそこに静かに大きな虹が現れたのだった。
夜の虹にすっかり魅せられてしまった僕は、その後何度も何度も、虹を求めて夜のハワイをさまよい歩いた。ハワイの夜は美しく、その大自然の風景は宇宙まで続いていた。そんな神秘的な風景を見ていたら、古代から伝わるハワイアンの自然観がすんなり体に染みこんでくるような気がして不思議だった。
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